奨学金まるごと返済プラン

返還を肩代わりしてもらえる制度

減額返還も返還期限猶予も、返す総額は1円も減りません。後ろにずれるだけです。ところが返還額そのものを他人が負担する制度が、実際に4つあります。自治体・勤め先の企業・機構の免除制度で、どれも公的な仕組みです。

知られていないのは、検索すると借り換えや債務整理の記事に埋もれるからです。ここでは制度の中身と、公式の一覧をどこで見るかだけを載せています。

自治体の奨学金返還支援

都道府県・市区町村が、返還額の一部または全部を肩代わりします。

対象: その自治体の区域に住んで働く人。対象の業種や年齢を限っている制度が多くあります。

地方創生の枠組みで、若い世代にその地域に住んで働いてもらうために自治体が奨学金の返還を支援する制度です。国が財政支援をしており、都道府県と市区町村の両方で実施されています。

支援の形は自治体によって違い、返還額の一部を毎年補助するもの、数年間の勤務を条件に一定額を交付するものなどがあります。多くは「その自治体の区域内に居住し、就業していること」が条件です。対象を特定の産業(製造業・医療・福祉など)や年齢に限っている制度もあります。

**募集の時期と枠が決まっているものが多く、後から遡って申請することはできません。** 就職先や引っ越し先を決める前に、その自治体に制度があるかを見ておくと選択肢が変わります。

見落とされやすいところ

制度の有無・条件・金額は自治体ごとに違い、毎年変わります。このサイトは個別の自治体の条件を持っていません。必ず下のリンクから、その自治体の最新の募集要項を確認してください。

企業の奨学金返還支援(代理返還)

勤め先の企業が、あなたに代わって機構へ直接お金を送ります。

対象: 第一種・第二種の貸与奨学金を返還中で、制度を導入している企業に勤めている人。

企業が従業員の奨学金の返還残額の一部または全額を、**従業員本人ではなく機構へ直接送金する**制度です。給与に上乗せして渡すのではなく、機構に直接振り込まれるところが特徴です。

採用や定着のために導入する企業が増えており、機構は制度を導入している企業を検索できる仕組みを公開しています。**就職・転職の会社選びの段階で確認できる条件**なので、求人票の給与だけを見て判断すると取り逃がします。

自治体が、代理返還を実施している企業に対して補助を出している例もあります。

見落とされやすいところ

すべての企業が導入しているわけではありません。導入していても、勤続年数や職種の条件が付いていることがあります。条件は各企業に確認してください。

特に優れた業績による返還免除(大学院)

機構が、貸与額の全額または半額を免除します。返す必要がなくなります。

対象: 大学院で第一種奨学金を借りた人。学部生と第二種は対象外です。

大学院で第一種奨学金の貸与を受けた人のうち、在学中に特に優れた業績を挙げたと認められた人について、貸与額の全額または半額の返還が免除される制度です。学術研究や発明・発見だけでなく、専攻分野に関連する文化・芸術・スポーツの活動、ボランティアなどの社会貢献も評価の対象になります。

申請は貸与終了時に在学する大学を通じて行い、大学が学内で選考して機構に候補者を推薦します。最終的な認定は、学識経験者らで構成される機構の委員会の審査を経て決まります。

**対象になる人は決して少なくありません。** 機構の公表によると、令和6年度に貸与が終了した大学院生 22,736人のうち 7,793人が大学から候補者として推薦され、7,786人が認定されています。

見落とされやすいところ

申請は貸与が終わる時点で行うもので、社会人になってから遡って申請することはできません。大学院に在学中の人と、これから進学する人だけが使える制度です。

死亡または精神・身体の障害による返還免除

機構が、返還未済額の全部または一部を免除します。

対象: 本人が死亡した場合、または精神もしくは身体の障害によって労働能力を喪失・減失した場合。

返還を続けられない事情として機構が定めているもののうち、最も重いものです。本人が亡くなった場合や、精神・身体の障害により働くことができなくなった場合に、返還未済額の全部または一部が免除されます。

願い出は本人または相続人などが機構に対して行い、診断書や証明書の提出が必要です。**自動的に免除されるものではありません。**

家族が奨学金を返還中に亡くなったとき、この制度を知らないまま相続の手続きが進んでしまうことがあります。該当しそうな場合は、まず機構の窓口に確認してください。

このページが自治体名を並べていない理由

返還支援を実施している市区町村は数百あり、募集の条件も予算も毎年変わります。一覧を当サイトが持つと必ず古くなり、古い条件を信じて応募の時期を逃す人が出ます。一覧は機構と内閣府が公式に公開しているので、上のリンクからそちらをご覧ください。

費用をかけずに相談できる窓口

国・自治体・公益財団法人が運営している窓口です。相談は無料で、 どれも借入先には連絡が行きません。有料のサービスを検討する前に、 まずここで話を聞いてもらうことができます。

このほかに金融庁の相談窓口一覧などがあります。

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